インドネシア・スンバ島で海藻を育てる人たち

スンバ島の東海岸には、海藻を育てて生計を立てる人たちがいます。スンバ島の人たちも海藻は食べますが、今回話を聞いた人たちが育てているのは島の人が食べるための海藻ではなく、島の外へ出荷するためのものでした。海辺での作業をしばらく見させてもらいました。

朝の海岸

近隣の住民の皆さんが作業をしていました。

近づいてみると、遠浅の海にいくつも張られたロープで海藻が栽培されていました。

ここでは近隣住民の皆さんが種の着いたロープを一本150,000ルピア(約1,500円弱)で業者から購入し、丹念に育てています。何度も打ち付ける波でロープは砂に埋もれていしまいます。ロープが砂に埋まると海藻も砂に埋まってしまうので、手作業でロープを砂から取り出し水面下でロープを揺らして海藻から砂を落とします。

ロープを取り付ける杭を打っている人もいました。

そして収穫できる大きさに育つと、ロープを杭から外します。

収穫した海藻は浜辺に運んで乾かします。

海面に浮かぶ台に乗せて砂浜まで運び、担いで波が届かないところまで持っていきます。

そして、日光に当てて乾燥させます。海藻は乾くと緑から赤へ色が変わります。

海藻の種がついたロープは一度購入すると何度か収穫できるようです。乾燥した後の海藻は、1キロ当たり6,500ルピア(650円弱)で買い取られていきます。

海藻農家さんに買われた後どうなるのか聞いてみましたが、売った後のことは良く知らないそうです。ワインガプ(スンバ島東海岸がある東スンバ県の県庁所在地)に持ってくんじゃないの?と言っていました。「日本人は海藻を食べるんだよ」って言ったら、「へ~、日本人かい!?」とびっくりしていました。後ほどLIFEの現地協力NGOに聞いたところ、ワインガプの港からジャワ島のスラバヤへ運ばれ、化粧品や薬などの材料となるんだと教えてくれました。

スンバ島の東海岸では海で働く人たちをたくさん見かけます。海藻の栽培に従事する人たちだけでなく、魚を釣る人、塩を作る人など、海辺近くに暮らす島の人たちは海と関わりながら暮らしています。

近くでトウモロコシを細かく挽いている人がいました。鶏ならそのまま食べられるけどヒヨコは食べられないので砕いてあげているのだそうです。屋根にはあとで家族で食べるための魚が干してありました。