会報「みらいの樹」89号2024年4月発行

認定NPO法人地球の友と歩む会/LIFEの会報「みらいの樹」WEB版
(2023年11月~2024年3月を中心とした活動報告)

栄養改善事業 対象の子どもたち(一部)

2024年3月、スンバ島ライパンダック村での栄養改善事業が終了しました。この間、私たちは対象児童の健康観察を続けてきました。最初は日本人小児科医の健康診断に緊張気味だった子どもたちですが、2回目には緊張感がなくなりリラックスして受けることができていました。3ヶ月おきに行われた身長と体重の計測についても、計測をするライパンダック小学校の先生方が慣れてきてミリ単位まで記録してくれるようになりました。この健康観察から健康状態の良い子とあまり良くない子が見えてきて、それぞれの家庭で調査をさせて頂いた結果、見習うべき点や改善点がわかり今後現地で栄養改善を続けていく際の重要なデータとなりました。

1.インドネシア事業報告

報告:古賀麻美(LIFE職員)

①スンバ島:マングローブの植林

(助成機関:日中友好会館「日中植林・植樹国際連帯事業」)

 

2023年度にスンバ島で植林したマングローブについて報告いたします。陸側に植えたマングローブについては住民や家畜が通ることを考慮し、苗木が倒れないよう一本一本丁寧にネットで覆っています。とても根気の要る作業ですが、現地NGOラジオMAXの呼びかけで地元の人たちが集まって作業をしてくれました。

左下の写真は、2023年10月に日本から渡航したボランティアと地元のワインガプ第三高校の生徒さんたちで植えたマングローブです。2024年3月、植えたほぼ全数が元気に育っていることを確認しました。右下の写真はスンバ島に滞在中の岩田理事が現地NGOラジオMAXと樹高の計測をしているところです。今後も定期的に植林場所を訪れ、マングローブの成長を観察します。

 

LIFEのマングローブ植林活動は、日中友好会館様からの助成金の他、企業やたくさんの皆さまからのご寄付で行っています。

②スンバ島:栄養改善事業

(助成機関:味の素ファンデーション「AINプログラム」)

 

2024年3月12日、スンバ島のライパンダック小学校にて栄養改善事業の記念式典を行いました。この3月で事業が終了するため、これまでの成果を紹介するべく他村の村長さんなどもお招きしました。

式典では小学校の先生から栄養に関する紙芝居や児童による有機肥料作りの実演などが披露されました。先生が出した栄養に関するクイズでは、先生からの「鶏肉の栄養グループは何かな?」とか、「お米は何のグループ?」という問いに、子どもたちは勢いよく手を挙げ「はい、たんぱく質!」「はい、炭水化物!」という答えが元気よく返ってきました。私たちLIFEが子どもたちに栄養の話をしたのは半年前です。この半年間、先生の指導の下子どもたちはしっかり知識を身につけていました。

児童による有機肥料作りの実演

栄養クイズに手を挙げる子どもたち

次は当事業にアドバイザーとして関わっていただいた小児科医の瀬上友見さんからのコメントです。瀬上医師は高校時代に2回LIFEのスンバ島ワークキャンプに参加し現地の子どもたちがおかれている状況を見てお医者さんへの道を選択しました。現在は事業地へ渡航し実際に子どもたちの健康状態を確認したり、現地から送られてくる身体測定の結果を分析して頂いてます。また、瀬上医師からの提案で小学校の調理場に家畜が入らないよう柵を設けたり、地面で調理しないようテーブルを使うようにしたり改善されました。事業期間中、瀬上医師には本当にお世話になりました。


コロナ禍で始まった事業、2年目にようやく現地渡航が叶った。体重や身長の数値からは分からない皮下脂肪の薄さ、便の状態の悪さ、歯の状態の悪さ、衛生環境が問題点として見えてきた。実際に現地で子ども達を診て話しを聞き、生活環境を見ることで気づいたことが多かった。LIFEの支援は農業が大切な軸ではあるが、そこで生活する人々の衛生環境や栄養状態の改善に同時にアプローチしていけたらさらに支援の質が高まるのではないかと感じた。

小児科医 瀬上 友見


③スンバ島:飼料用トウモロコシ支援

(助成機関:日本労働組合総連合会「連合・愛のカンパ」)

 

飼料用トウモロコシの販売から収入を得る支援は2年目が終了しました。2年目は1年目に収穫したトウモロコシの販売から得た売上金で更に農地を増やすことができました。LIFEの支援は2年間で終了しますが、今後は現地協力NGOのラジオMAXが農家さんと協力して農地を増やしていきます。

当事業は、世界的に値上がりしている飼料用トウモロコシをインドネシア政府が輸入から国内生産へと奨励していることを受けて開始しました。トウモロコシが主食のスンバ島の人たちはトウモロコシ作りが得意です。当事業では家族の食糧としてのトウモロコシに加え飼料用のトウモロコシも併せて栽培しました。トウモロコシを食べる家畜や最終的な消費者の健康を考え、肥料は農家自身が作った有機肥料を使っています。

2.インド事業報告

報告:佐藤静香(LIFE職員)

報告書の公開

インドで2012〜2023年度に実施した教育ローン及び女性自助努力グループ支援事業の報告をHPで公開中です。ぜひお読み下さい!

https://earth-ngo.jp/20240304-2
https://earth-ngo.jp/20240304-2/

外国貢献規制法の影響

インドでは外国貢献規制法(通称:FCRA※海外寄付規制法と訳す機関もあり)が制定され、インドのNGOへの送金が規制を受けています。着金に半年以上かかったこともあり、現地NGO側では遠く離れた都市部に足を運ぶなどの苦労があったと聞いています。規制が年々強化され2023年の夏には送金に長らく使っていた金融機関は現地への送金が不可になりました。支援を従来の通り続けるのは難しく、有識者様の知恵が必要不可欠と感じています。ぜひ皆様のお力添えのほどお願い申し上げます。

3.LIFEの実 ~緑川清明さん~

当時職場に「東京ボランティアセンター」の会報が送られてきていて、記事の中の「インド井戸掘りワークキャンプ」が目に止まり、『これだ!』と思い参加しました。年齢は40を過ぎていましたが、穴掘りには少し自信もあったし、ビートルズが好きなインドに行けるのは魅力的でした。参加者の多くは大学生でしたが、共に身体を動かす中で、年齢の垣根もすぐに乗り越えることができ、楽しい経験を沢山させてもらいました。縁あって、LIFEの有志で茨城で農業をやったり、早くに亡くなってしまった仲間の「偲ぶ会」を20年続けてきたりと、思えばあっという間の年月ではありましたが、どれもLIFEと繋がっているのは、温もりのある人間関係が作れる場だったからだと思います。来年からは「偲ぶ会」を「LIFE同窓会」に形を変え、毎年2月の最終土曜日に行うことになりました。暖簾をくぐれば、あの日に帰れる居酒屋「秋刀魚」で、お会いしましょう。

’93 ’95インドワークキャンプ参加 緑川 清明

4.インドネシア文化紹介 ~本屋さんはどこに?~

バリ島に滞在していた頃から気になっていたことがあります。本屋を見かけないのです。ショッピングモールに入っている大型の書店以外では私は1店しか見ていません。日本では駅前には大抵本屋があり、通りすがりにふらっと入るものでしたが、公共交通機関が発達していない地域ではわざわざ行かないと本屋にたどり着けないという事情もあります。スンバ島ではどうかと言うと、子供用の教材などを販売しているところはあるようですが、本屋はないそうです。こういう状況ではオンラインでデジタルの本を読めることは大変ありがたいですが、デジタルが主流となりこの先もスンバ島に本屋ができないとしたら残念だなと思います。

 理事・スンバ島在住 岩田雅子

5.編集後記~堀内康江さん~

第1回インドスタディツアーに参加した堀内康江です。
東ティモールという熱帯の国の首都ディリに2009年から2年間住んだ。ある蒸し暑い午後。渋滞する道の路肩からミクロレット(小型バス)が割り込もうとした。そうはさせじと私は道を譲らず、じりじり前進するうちに車体を擦ってしまった。私もバスの運転手も道に出て口論すると、乗客たちは運転手を応援する。乗客「2ドル出せば解決だよ」。私「自分は悪くないから払わない」。たまたま通った国連警察の知人や、地元の警官たち、JICA現地スタッフも加わって現場は人だかり。皆が見守る中、警官が宣告「マダム、あなたが悪い。10ドル払いなさい」。意地を張ったせいで痛い出費になりました。

6.ご寄付・ご協力ありがとうございます

※2023年11月1日~2024年3月31日まで

正会員(個人・団体) 4名
賛助会員 14名
寄付  154名
きしゃぽん募金 7名
インターンシップ参加 1名
ボランティア参加 15名

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