会報「みらいの樹」90号2024年12月発行

認定NPO法人地球の友と歩む会/LIFEの会報「みらいの樹」WEB版
(2024年4月~2024年10月を中心とした活動報告)

スンバ島での給水ポンプの実験が成功しました!!

2015年の構想から9年、ついに念願の給水ポンプの実験に成功しました。丘陵地帯が続くスンバ島では水を汲みに行くことは住民にとってとても重労働です。私たちは村の人たちが水にアクセスできるためにどのようなポンプを作ったらスンバ島に最適なのかずっと考えてきました。これまで、たくさんのボランティアさんが関わり知識や資金の提供をしてくださいました。2023年には、村にはない電気や燃料を使わず川の水の流れる力だけで水をくみ上げるポンプを作り日本国内での実験は成功しました。そして、ついに9月、スンバ島に行ってスンバ島の人たちと日本人が協力してポンプを作り川での実験を成功させました。

1.インドネシア事業報告

報告:古賀麻美(LIFE職員)

①ポンプ開発ツアー開催

(助成機関:三菱UFJ国際財団、LUSHチャリティバンク)

スンバ島の人たちは低いところを流れる川の水を汲むのに崖を下りたり登ったりしなくてはなりません。水は重いのでとても重労働です。水へアクセスしやすくするためにLIFEは電気や燃料を使わず川の流れで水が汲みあがる給水ポンプを開発してきました。日本での実験が成功し、ついに9月15日から24日まで5人の大学生を含む総勢11人がスンバ島に渡航しポンプの組み立てや実験のボランティアに参加しました。

ポンプの組み立て

工学系の学生さんたちがリーダーとなりスンバ島の地元の人たちと一緒にポンプを組み立てます。もともと村の人たちが組み立てたり修理できるようにと設計をしたポンプなので、作りが複雑ではありません。言葉は通じなくても、スンバ島の人たちはすぐにポンプの作りを理解し一緒に作業をすることが可能でした。

参加者の声

 日本から参加したボランティア

ポンプの作りがシンプルなので現地の人も直感的にポンプの仕組みを理解して、言語が異なる私たちとも共同作業が可能でした。

日本から参加したボランティア

欲しい工具を一つ買うのにお店をいくつも回らなくてはならないスンバ島の状況に驚きました。

ワインガプ第三高校の校長先生

日本人が来てくれたおかげで、私たちには自分たちの海岸を守る義務と責任があることに気づかされました。

現地の高校生

規律を守ることで知られている日本人と一緒に作業できたことは良い経験でした。

川での実験

●川での実験
3日目に組み立てが完了。トラックに積んで川に運びました。川に設置するとすぐに水車が回転し水が汲みあがりました。実験の村では畑が水面から3メートルほど上にありましたが、問題なくスムーズに畑まで水を給水することができました。日本からの参加者もスンバ島の人たちも大喜びです。まだ耐久性や重量などに課題がありますので、これからも日本人とスンバの人たちが協力してポンプの改善をしていきたいと思っています。どうぞ引き続きこのポンプ開発にご支援をいただけますようお願いいたします。

今回作り上げた3台のポンプ
3メートル上の畑に水が上がりました。

ポンプ以外にも参加者の皆さんが関心のあった伝統家屋と現代の家屋の温湿度の比較実験や住民が使っている水の水質検査もやってみました。

室温調査
水質検査

国際交流

スンバ島に滞在中はワインガプ第三高校を訪れて生徒さんたちとゲームをしたり、一緒にマングローブの海岸を清掃したりして交流をしました。みなさんすぐに打ち解けて仲良くなりました。

②有機農業研修

(助成機関:アジア生協協力基金)

2024年4月からスンバ島の中ほどにあるレワ地区の村で有機農業研修を行っています。ずっと野菜を作れるようになりたいと思っていた村人たちはとても熱心に研修に参加し、今ではキャベツ、カリフラワー、ナス、トマト、キュウリなどたくさんの野菜を作れるようになりました。特にインドネシア料理に欠かせない唐辛子の出来が良く、すでに販売を開始し現金収入を得られるようになっています。
その他にも今年度は住民の所得向上を目指し、有機農法によるライム栽培(助成期間:ゆうちょ財団)やキノコ作り研修(助成期間:連合「愛のカンパ」)も進行中です。

2.インド関連報告

報告:米山敏裕(LIFE理事)

REYDSでは設立当初よりトイレの普及を図り保健衛生改善事業にとりくんできました。2017年からのN連事業でのつながりでチェンナイにある日本総領事館が募集している草の根協力事業を紹介され2年前に申請書を提出し、審査が進められていて採択される見込みとなっています。事業内容としてはREYDSのあるサナルパティ郡と近くにあるナッタム郡にある2つの病院と10の小学校にトイレを建設するものです。トイレは建設して終わりではなくどのように利用に向かわせるか維持管理を住民ができるかが重要となります。住民が主体的にすすめる手法について日本の大学生が3月に卒論で「トイレの参加型開発」をテーマにて執筆した内容に多くの示唆に富んだ提言がなされています。今後REYDSと連携してトイレ建設事業の進捗を見守っていきます。

3.LIFEの実~伊藤千恵さん~

伊藤千恵さん

大学の時にインドネシアのスンバ島の植林ワークキャンプに参加しました。そこで木々がなくなった状況を目の当たりにし、植物の重要性と一度失ったものを回復させる大変さを痛感しました。


その経験を受けて、より深く植物について学ぶため大学院に進学し、現在は都内の庭園で学芸員として勤務しています。仕事は植物に関連する企画展示を考えたり、来園者に植物の解説をしたり、ボランティアさんと植物の手入れや落ち葉堆肥を作ったり…と、とてもローカルなことをしています。でも、何か始めるときは初心忘るべからず。スンバの荒涼とした大地が緑で覆われることを想像しながら、この仕事は地球環境の保全に繋がるか考えつつ働く毎日です。

4.インド文化紹介
~「ナートゥ をご存知か(Do you know “Naatu”?)」~

こんにちは!1997年に第1回インドスタディツアーに参加した小林(旧姓加藤)志帆と申します。私の趣味の1つ宝塚歌劇。世界で唯一女性のみで構成される劇団です。今年のお正月演目はなんと!インド映画「RRR」を舞台化した「RRR×TAKA”R”AZUKA~√Bheem(アールアールアールバイタカラヅカルートビーム)」でした。「RRR」は日本でも人気を博しました。その世界観を宝塚の舞台でどう再現したのか。映画のラージャマウリ監督も絶賛されていました。その構成やお芝居、歌もさることながら、魅惑の高速ダンス「ナートゥ」の再現がブラボー!「ナートゥ」が「?」な人は是非ググってみてください。日本の宝塚文化とインド映画の融合が素晴らしい!インド文化により親しみが沸いた体験でした。

5.編集後記:LIFE事務局長 古賀

9月24日の朝、ツアー参加者の皆さんと一緒に帰国しました。成田空港着陸直前、異様なほど機体が揺れてゴンゴンと音が聞こえました。滑走路に入り横に成田空港のビルが見えていていつもならもう着陸しているはずなのになかなか着陸しません。このままだと滑走路から飛び出してしまう、と思った瞬間ゴーアラウンド、再び上昇しました。アナウンスによると強風のため着陸できず再度着陸するということでした。以前インドの事業地視察から帰国した時にも千葉県に台風が上陸していて大島上空まで飛行してきたものの着陸できず関空へダイバートしたことがあります。年に何度も飛行機に乗っていますが、いつも安心して飛行機に乗れるのは、パイロットさんの懸命な操縦をはじめCAさんや整備士さんなど航空業界で働くたくさんの方たちのおかげだと思います。いつも感謝しています。 

6.ご寄付・ご協力ありがとうございます。

※2024年4月1日~2024年10月31日まで

正会員(個人・団体)21名
賛助会員15名
寄付 154名
きしゃぽん募金19名
インターンシップ参加3名
ボランティア参加70名

7.LIFEへのご寄付&会員募集

LIFEは認定NPO法人です。LIFEへのご寄付は、寄付金控除等の対象となります。

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